入社した頃は、今から思えば本当にヘナチョコでした。幸い、いっしょにやってた 先輩(森下さん)が面白い人で、色々教えてもらってたのですが、最初の半年くらい 経った頃、本当に辞めようと思ってました。 というのも、当時、人付き合いが苦手で、思ったことを相手に伝えるのが苦手だった 上に、毎日何をやったらいいのか分からなかったんですよね。 ほとんど、日雇い労働のような状況で、言われたことを色々やっても、飲みこみが 遅くて、失敗・失敗・また失敗・・・挙句の果ては研究所でボヤ(火事)を出して しまって・・・このときはさすがに血の気が引きました。 なんとかやっていけるなと思いはじめたのは、一つの発見をしてからで、 当時、チョコレートにフレッシュクリームを混ぜ込むような研究をしていたのですが、 フレッシュクリームを冷却して、結晶を少し析出させてから混ぜ込むと、口当たりの いいなめらかなものが出来るということが分かったからです。 この頃から、自分自身本当に変わりました。(大学の頃と比べると別人のように・・・) ちょうどウインドサーフィンを始めたのもこの頃だったんですけど、ひとつのことに 集中して、面白くてたまらん!と思えるようになると、不思議なもので、今まで苦手 だった人付き合いも自然と好きになってきて、森下さんや研究所の友達とバカな話も 出来るようになってきました。 言葉があふれるように出てきて、色んな発想がどんどん浮かんでくるし、冴えわたると いうかなんというか?まあ、一種の躁(ソウ)状態というようなもんですかね? とにかく、脳内エンドルフィンが大量に生産されて、気分爽快でした。(躁鬱病という 話もある!?) でも、そんなにおかしなことは口走っていないようで、ある程度自分をコントロール 出来るようになれば、それで安定な状態が続くのかな? 栃木に居た頃も色々あったけど、少しずつ研究のやり方に自信をつけて、最初の頃は 時間に追われるような気がしていたけど、今では、まあのんびりやろうぜ!という感じで 過ごしてます。(あまり期待されてないという話もあるけどね?!)