現代化学の2003年10月号からの引用です。

一連のハチに関する研究から、オオスズメバチの警報フェロモン物質が同定されました!

その成分は、2−ペンタノール、イソ吉草酸1−メチルブチル、3−メチル−1−ブタノールです。

夏になると、スズメバチに刺されて重症(ときには死亡)を負う事件がしばしば新聞などに取り上げ
られますが、上記成分はヘアスプレーや香水に一般的に使われているようです。

玉川大学の小野先生によると、オオスズメバチにも天敵が存在し、例えば熊などは、巣内に詰まった
幼虫や蛹を餌として捕獲することがあって、

このときに、巣を守るためにオオスズメバチは、毒液に含まれ激しい痛みをもたらすセロトニンや、
蛋白質を分解する酵素などを毒針を通じて相手にアタックします。

同時に、仲間に天敵の進入を伝えるため、揮発性の上記3物質が放出されるようです。

オオスズメバチにとって、これらの情報伝達物質は、「刺せ!刺せ〜!!」という風に伝わるらしい
です。

実際、香料を浸したろ紙を巣門前に置くと、内部から多数の働き蜂たちが勢いよく?!出てくるのを
確認しています。



先日もテレビでやっていましたが、スズメバチは黒に反応する性質があるらしいです。これも天敵の
熊の色に由来したものだと思いますが・・・

夏場、キャンプなどでスズメバチと遭遇する可能性があるようなところへ行く場合、

・黒っぽい服装
・香水などの類

は厳禁です!

その他に、小野先生によると、オオスズメバチに対抗するニホンミツバチの「必殺ふとん蒸し殺法」
なども紹介されていました。

オオスズメバチがニホンミツバチの巣を見つけると、偵察蜂はその周りに餌場マークフェロモンという
ものを残すようです。

これはニホンミツバチにも傍受できる物質(ただし元々違う生態系に住んでいたセイヨウミツバチ
にはそういった能力はありません)で、これを感知したニホンミツバチは巣穴に逃げ込んでしまう
んだって。

面白いのはここからで、スズメバチが深追いして巣穴に入り込むと、一斉に500頭のニホンミツバチ
がとびかかって、「蜂球」というものが出来ます。

蜂球に閉じ込められたスズメバチは一体どうなったのかというと・・・

48℃まで上昇した蜂球の温度でやられてしまうそうな・・・

昆虫が変温動物であるという常識をくつがえすような必殺殺法じゃありませんか!